夏バテは、体がだるいとか、食欲がない、冷たいものを多く摂っている。
このように、夏の暑さによりさまざまな症状が出てきます。
自分は大丈夫だと思っている人でも、夏の暑さは結構からだに負担がかかっている
ものです。
油断していると、夏バテの症状が出てくるかもしれないので、この季節の過ごし方を
工夫したいですね。
夏バテの予防と対策
《夏バテのおもな原因と対策》
■自律神経の働きの乱れ
自律神経の働きは、交感神経と副交感神経のバランスにあり、睡眠にも深く関係します。
また、体内時計が整うことで自律神経の働きも整います。
参考:夏バテの症状をチェック①眠気はメラトニンの分泌・睡眠障害の対策を!
参考:夏バテにならない対策と工夫①自律神経による気温と温度調節、汗と水分補給
■水分不足・水分代謝の乱れ
水分代謝は、体に大きな影響を与えます。水分不足は熱中症になりやすいので、
定期的に水分の補給をします。
汗を大量にかくと、体内のミネラルがランスが崩れて、汗がかきにくくなったり、
汗が止まらなくなったりと、悪循環になります。
水分補給をするときは、ナトリウムや糖分の入った水分を摂ってください。
■胃腸の働きの悪化
夏バテで体力が落ちてくると、胃腸の働きにも影響します。
しっかり休めて、調子を整えるのが先です。その後で、バランスの摂れた食事を
していくと良いでしょう。
夏バテにならない対策と工夫①自律神経による気温と温度調節、汗と水分補給
夏バテの予防と対策③たいせつな栄養素がある食材で体を元気に胃腸を強く!
夏バテ知らずの梅シロップによる三毒を断つ効果と作り方・簡単レシピ!④
では、なぜ胃腸の働きが弱ってくるのかを説明していきます。
《夏バテで胃腸の働きが弱くなる》
夏の暑さで体が熱くなると、皮膚の表面に熱が集まることで、胃腸への血流が減り、
汗を多くかくと同時に塩分が失われて、塩分量が減ると胃酸も減少します。
この状態で、冷たいものばかりが入ってくると、胃が荒れて下痢をしやすくなったり
します。。
消化器系の働きが弱ってくると「消化酵素」の働きも弱ってきます。
消化酵素は消化器官で働く酵素で、食べ物の消化吸収を助ける役わりがあり、
栄養を効率よく体に取り込んでくれるのです。そのおかげで、体のエネルギー代謝が
高まり、吸収された栄養で元気でいられるのですが、胃腸の働きが悪くなることで、
消化器系の全体の機能が弱まるので、体力がおちて、疲れもたまりやすくなります。
また、体温を調節する機能の自律神経もうまく働かなくなるので、さらに夏バテを
悪化させてしまう原因にもなるのです。
夏バテに効果のある栄養素を摂りましょう!
栄養は大きく5つに分かれます。
・「炭水化物(糖質)」
・「たんぱく質」
・「脂質」
・「ビタミン」
・「ミネラル(無機質)」
夏バテ予防の食材の栄養素を摂りましょう!
《夏バテ予防に炭水化物》
炭水化物は、よくダイエットの敵のように扱われていますが、不足するとエネルギー不足
になり、体に力が入らないような感じで元気が出ません。炭水化物は、糖質に分解されて
効率よくエネルギーになるので、体温の保持、さらに脳の栄養なので、不足すると頭の
働きにも影響します。
夏バテの予防にも最低量はとりましょう。
1日に1食につき、最低でも摂りたい量
★ご飯一膳に80~100グラム(ご飯茶碗軽~く1杯)
★食パンは6枚切りを半分~1枚
《夏バテ予防にたんぱく質》
体の筋肉や血液、細胞の生成には欠かせない栄養素です。
不足すると筋肉量が減り、体のラインが崩れてきます。さらに、体力がなくなるので、
疲れやすくなり回復するのに時間がかかり、夏バテしやすくなります。
筋肉は水分を多く保持しています。そのため体が水分不足になりにくいので、
夏の暑い日なども、夏バテしにくい体になります。
運動のあとに牛乳や乳製品を摂ると、乳タンパクで筋肉を作る効果が高いことが
分かっています。(運動後30分以内の摂取が効果的)
★植物性たんぱく質⇒大豆・大豆製品
★動物性たんぱく質⇒牛乳・乳製品、卵、鶏の胸肉(疲労回復効果成分イミダペプチド)
豚肉(ビタミンB1)
《夏バテ予防に脂質》
植物油は植物から取れる油で、食べても体内で固まらないので、さまざまな料理に
使われています。不飽和脂肪酸でコレステロール値を下げる効果のものが多い。
動物性の脂は、主に飽和脂肪酸です。動脈硬化症などの原因にもなるので
控えたいですね。
夏、汗をかいて、血液がドロドロ状になった時などは、血管を詰まらせてしまう
可能性がありますので注意したいです。
★オリーブオイル、ごま油、菜種油、グレープシードオイルなど
《夏バテ予防にビタミン、ミネラル》
体の潤滑油といわれていて、体の調子を整えてくれます。
ビタミンA(レチノール、β-カロテン)
抗酸化作用があり、体の酸化を防ぎ、抵抗力を高めてくれます。
皮膚や粘膜の健康維持にも大切なえいようそです。
紫外線によるお肌へのダメージは想像以上に大きいですが、抗酸化作用で、
回復する力があるので、夏の日差しや暑さに負けない体作りに役立ちます。
★動物性は、土用の丑の日に食べられるうなぎ、レバーに多く含まれます。
★植物性は、緑黄色野菜に多く含まれます。
ビタミンB1
糖質をエネルギーに変える役割があるので、炭水化物の効果を高めます。
疲労回復の効果があります。
ビタミンC
コラーゲンの合成を助けてシミ・ソバカスを予防して、お肌にハリを与えます。
紫外線の害を防ぐ効果があるので、夏には欠かせないビタミンです。
さらに、夏バテ予防のための、ストレス解消や免疫力の強化に有効です。
★フルーツ類、淡色野菜
水分量も多いので体の熱を取るのにも効果的ですよ。
ミネラル類
ミネラルは、暑い夏の日は、多くの汗と一緒に排泄されます。
夏には夏の野菜と言うように、季節の野菜を積極的に摂ると自然とバランスの
取れた栄養を頂いています。
カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分等が水分バランスや筋肉の働きに
作用します。
《ほかに摂ってほしいもの》
ナトリウム(塩分)、水分は水やお茶以外にスポーツドリンクや経口保水液など
最後に
夏バテを予防するには、毎日の食事も大切な一つです。
一つを多く食べるより、多くの種類を少しずつ摂る事をおすすめします。
夏バテで食欲がないときは、無理に食べると胃や腸にかなりの負担をかけるので、
なるべく早くお休みになることを、優先してください。
体を休めて、体力が回復してきたら、良質のたんぱく質やビタミン・ミネラルを
摂って夏バテ予防をしてください。