おせち料理は、お重箱に色々な料理を詰め込んだ
もてなしの正月料理です。
一つ一つに大切な意味があり、縁起をかつぐ料理は、
知れば楽しく、ありがたくいただけます。
お重箱の数にも違いがあります。
美味しい和食をいただきましょう。
Ⅰおせちの料理の種類と意味重箱の数は違う⁉
🎍正月のおせちの本当の意味由来!!お重箱に込められた思い願いに感謝です➊❣
おせちの料理を詰める重箱は、めでたさを重ねるという意味が
あり、「縁起をかつぐため」といわれます。
お重箱は、正式には「四段重」といわれているようですが、
地域や家風により、「五段重」が基本のところもあります。
そして最近では、家族の少人数から「三段重」が多いようです。
お重箱の一の重・二の重~と、それぞれ詰め合わせるものが
基本的に決まったものがあり、「三段重」「五段重」でも
詰める食材に違いがあるようです。
三段重「一の重」祝い肴・口取り
黒豆、昆布巻、田作り、伊達巻、栗きんとん、紅白かまぼこなど。
「二の重」酢の物・焼き物
紅白なます、れんこん、数の子、ブリや鮭の焼き物
海老、たたきごぼう、なると巻きなど。
「三の重」煮物
八つ頭・里芋、くわい、季節の旬の野菜などの
筑前煮、野菜の煮しめなど。
おせちのお重箱の数・五段重
■一の重
「祝い肴」・黒豆、数の子、ごまめなど
「口取り」・きんとき、かまぼこなどの甘いもの
■二の重
「焼き物」海の幸など
■三の重
「煮物」山の幸など、もしくは酢の物
■与の重
酢の物や和え物など、もしくは煮しめ
(四は忌み数字のため使いません)
■五の重
五の重は控えの重で、空の状態です。
年神様から、授かった福を詰めるところで、
富が増え、さらに繁栄することを示していると
いわれます。
※四段重・五段重でも、詰める段や種類に
違いがあるようです。
祝い箸とは
厄を祓うとされる、柳でできた「祝箸」を使います。
お箸の両方の先が細くなっていて、一方を年神様が使い、
もう片方は、人が使います。
これは、年神様と共の食事をするという意味があり、
両口箸とも呼ばれます。
祝い膳には、神様に感謝して、お供え物として捧げて、
それを人がいただくことで、その力やご利益を得る
という意味があります。
米俵のように、中央が太めなことから「五穀豊穣」、
または「はらみ箸」と呼び「子孫繫栄」も表します。
祝箸は、使ったら自分で清め(洗い)松の内(1月7日)まで
同じ箸を使います。
Ⅱおせち料理の種類と意味 祝いの肴三種
「祝いの肴三種」は、黒豆・田作り・数の子で、
この三種がそろえば、おせちの形が整うといわれています。
関西では、田作り・数の子・たたきごぼうの3種になります。
黒豆
■「まめ」に働けるように、真面目・丈夫という意味を
含んでいて、真面目(勤勉)に働き、元気に暮らせる
ようにと、願いが込められています。
また、黒は魔よけの色で無病息災!
«栄養面»
黒豆は大豆の仲間で、たんぱく質・ビタミンが豊富で、
さらに黒の色素「アントシアニン」が目にいい栄養素を
多く含んでいます。
黒豆にはちょろぎ
■黒豆と一緒に盛り付けてある「ちょろぎ」は、
シソ科の植物で、根にできる食用の球根のような
地下茎で、「長老喜」「千代呂木」と書き、
縁起の良い食べ物とされます。
田作り
■ごまめ(五万米)ともいいます。
田を作るで、田んぼの肥料に使われていたそうです。
五穀豊穣や豊年豊作の願いが込められています。
«栄養面»
ゴマメを煎って甘辛く煮詰めたもので、イワシの稚魚が
使われ、お頭付きで縁起がよく、丸ごと食べるので、
たんぱく質やカルシウムが豊富です。
また、青魚に多いDHA.EPAが摂取できます。
数の子
■数の子はニシンの卵で、歯ごたえが独特です。
ニシンはカドといわれていて、卵はカドの子、
それが、卵の数も多いことから「数の子」に
なったといわれます。
子孫繁栄を願い、二親健在に通じる縁起物と
いわれています。
たたきごぼう
■柔らかく煮たごぼうを、叩いてみを開き、
「開運」の縁起をかついだものです。
口取り・酒の肴
「口取り肴」の略「饗膳(きょうぜん)」で、おもてなしの料理を
意味し、最初にお出しする料理です。
口取り肴は、紅白かまぼこ・伊達巻・栗きんとん・魚の甘露煮・
昆布巻などの甘みのある料理で「酒の肴」になる料理のことです。
紅白蒲鉾
■「紅」は、魔除けで邪気払いの色
「白」は、清浄な色
形は半円で、初日の出を連想させることから、
新しい年を祝う縁起物です。
«栄養面»
ハモやスケトウダラ・グチなどが原料で、良質なたんぱく質、
ビタミン・ミネラル類が豊富でヘルシーな食品です。
伊達巻
■戦国武将の伊達政宗は、奇抜な個性的なファッションを
好んだといわれ、そこからおしゃれな人のことを、
伊達者と呼ぶようになりました。
江戸のおしゃれな人が着ていた着物の柄と形がよく似ていた
ことから付いた名前です。
伊達巻の色は黄金色、形は巻物で、学問や習い事の成就、
文化の発展を願って付けられています。
錦玉子
■卵の黄身と白身を、金糸・銀糸に見立てています。
綿は、財宝に通じるとされ縁起の良いものです。
栗きんとん(栗金団)
■栗は「勝栗」、きんとんは「金団」
勝負に勝つ、金色に輝く金の団子や布団など、
財宝や豊かな生活を願う気持ちが込められています。
«栄養面»
栗とさつま芋を使っています。
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富です。
昆布巻
■「よろこぶ」で、喜びにあふれた1年でありますように!
という意味です。
昔の巻き物の形を表していて、長い紙に書いていたことから、
勉学に励み立派な人間になるようにと、願いが込められて
います。
Ⅲおせちの縁起もの種類と意味
酢の物・紅白なます
■紅白なますは、もとは生魚を用いた酢のものでしたが、
室町時代に「生酢➟なます」となり、精進料理では
野菜のみで作っていたことから、現在は大根と人参の
紅白なますが縁起物としてつくられています。
紅と白の組み合わせは、平和・平安を願う思いが
込められているようです。
蓮根(れんこん)
■蓮根は穴が開いていて、覗くと向こう側が見えることから、
将来の見通しが良くなりますようにと願う、縁起物です。
さらに、多くの種がつくことから、子孫繁栄を願うものでも
あるようです。
焼き物・海老
■海老のように長いひげを生やし、腰が曲がるまで、
歳をとっても健康で、丈夫でいられますようにと、
健康長寿の願いが込められています。
赤白の模様がお祝いに良い色であることや、
目が飛び出ているのが「目出たし」といわれ
縁起物とされています。
焼き物・鰤(ぶり)
■ぶりは、大きくなるごとに名前が変わることから、
出世魚と呼ばれ、立身出世を願う気持ちが込め
られています。
(ワカシ➟イナダ➟ワラサ➟ブリ)
※冬に獲れる「寒ブリ」は脂がのって美味しい時期です❣
ごぼう
■地に根を張ることから、家の土台がしっかりして
繫栄するという意味があります。
煮物・八つ頭 里芋
■親芋に子芋がたくさん出来ることから、子孫繁栄・子宝に
恵まれますようにと長いが込められています。
八つ頭の「八」は末広がりで縁起が良いこと、人の上(頭)に
立てますように!の意味もあり、出世祈願でもあります。
煮物・くわい
■くわいは、大きな目が出ることから、「めでたい」として
縁起のいいものです。
また、「目が出ますように」の出世の願いも込められています。
Ⅳ『今回のまとめ』
お正月に食べられる「おせち」には、多くの種類があり、
それぞれに意味を持ち、子孫繁栄や学問成就、健康長寿、
出世祈願などの願いが込められた縁起ものでした。
今年も、良い年でありますように、
願いながらいただいてみましょう。