日本の代表的な発酵食品の「味噌」の種類は、
地域によって様々な特徴があり、とても個性的で、
おいしい味噌が揃っています。
糀(麹)の香リする甘口!濃厚な旨みの赤味噌!
食べたくなるお味噌が見つかりますように!
味噌の種類の特徴は個性的
味噌の主な原料は「大豆」で、「畑のお肉」といわれるほど、
良質なたんぱく質を豊富に含む、植物性の食品です。
その大豆を、「麹」により発酵させることで味噌ができます。
味噌は、身体に必要なアミノ酸やビタミン、ミネラルを豊富に
含む、栄養価の高い食品です。
麹とは
米、麦、大豆などの穀物に、麹菌を付着させ繁殖・培養させたもの
米麹・麦麹・豆麹などがあります。
味噌の原料は米・麦・豆
味噌は主に「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」「調合味噌」
があり、約8割は米味噌が生産されているようです。
味噌の味は甘口・辛口!
味噌は、「甘口」「辛口」に分けられていて、
塩の加減と麹の割合(麹歩合)で決まります。
麹歩合が多いと、甘口になります。
■「甘味噌」「甘口味噌」「辛口味噌」に分かれます
味噌の色は白・赤!
味噌は、つくってすぐの頃は「白みそ」ですが、熟成が進むにつれて、
色が濃くなってきます。
これは、発酵熟成していく中の「メイラード反応」によるもので、
アミノ酸と糖が反応することで、色が濃く褐色になっていきます。
大豆などの原料の種類や、大豆を煮るか・蒸すかのように、製造工程、
作業工程の違い、麹の量などのさまざまな条件で色が変わります。
■「赤味噌」「淡色味噌」「白味噌」に分かれます
味噌の旨味
お味噌は「発酵食品」で、その美味しさは、それぞれの原料の旨みや
麹の酵素の働きにより、生み出された栄養成分が絡み合って出来ています。
米や麦などの穀物のデンプンは、麹のもつ酵素「アミラーゼ」によって、
分解され、甘味を引き立てます。
また、旨み成分のグルタミン酸などは、大豆成分のたんぱく質が
分解されて、各種アミノ酸になり、熟成が進むにつれて、旨みが
増してきます。
これに、塩味や酸味・甘味などのパランスで、美味しい味噌が
出来上がります。
熟成が進むと、塩辛味がやわらぎ、コクが出てきます。
味噌は、生き物なので、熟成の段階を味わうのも楽しみの一つですね。
これらの味噌は、日本の食生活に中で生まれ、発展してきました。
そして地域による、気候や風土、食生活や嗜好、原料の生産などの
違いが、地域の特色ある味噌になりました。
地域によって、味噌の名前が付いているものもあります。
●信州みそ
●越中みそ
●御膳みそ
●西京みそなど
味噌の種類は地域で違う!米みそ・麦みそ・豆みそ
米味噌・白色の甘味噌
~~大豆に米麹、塩を加えてつくった味噌~~
・(岡山、広島、山口、香川、近畿各府県など)
⦅讃岐白みそ、関西白みそ、府中白みそ⦆
関西白みそ(西京味噌)
甘口で淡いクリーム色をしています。
熟成期間は短く、甘味が強いのが特徴です。
京都の西京味噌の銘柄で有名‼
米味噌・赤色の甘味噌
~~大豆に米麹、塩を加えてつくった味噌~~
・(東京)
江戸甘味噌
甘口の赤褐色の味噌で、濃厚な甘味が特徴です。
米味噌・甘口の淡色味噌
~~大豆に米麹、塩を加えてつくった味噌~~
・(静岡、北陸、九州地方など)
越中味噌
米麹がたっぷり入っていて、みそ汁などにすると
お椀に糀の花が咲く❣という表現がぴったりの
越中味噌です。
味噌玉をつくらない独特の製法で、水分が多い
のが特徴です。
米味噌・甘口の赤味噌
~~大豆に米麹、塩を加えてつくった味噌~~
・(徳島、その他)
御膳みそ
甘口の赤味噌で、米麹の割合(麹歩合)が多く、
濃厚な味わい!
米味噌・辛口の淡色味噌
~~大豆に米麹、塩を加えてつくった味噌~~
・(北陸地方、関東甲信越地方など)
信州みそ
長野県を中心に生産されている辛口の淡色味噌です。
信濃国の武田信玄が「軍の兵糧」を確保するために、
味噌造りを奨励したことは有名ですね。
米味噌・辛口の赤味噌
~~大豆に米麹、塩を加えてつくった味噌~~
・(北海道東北地方、関東甲信越地方)
⦅北海道みそ、津軽みそ、秋田みそ、仙台みそ⦆
⦅会津みそ、佐渡味噌越後味噌、加賀味噌⦆
※ほぼ全国に分布しています
越後味噌
米どころ新潟の米麹味噌で、米粒の形が味噌の中で
浮いたように見えるので、「浮麹味噌」ともいわれます。
塩なれして旨みと甘みのバランスが良くざらつきの
ない食感で、鮮やかな赤色が特徴です。
会津みそ
長期熟成の辛口の赤味噌です。
福島県の会津味噌協同組合の地域団体の
登録商標です。
味噌の種類は地域でおいしい旨みがある❣
麦味噌・甘口味噌
~~大豆に麦麹、塩を加えてつくった味噌~~
九州・中国・四国地方を中心に作られています。
(九州、四国、中国地方)
⦅瀬戸内麦みそ、九州麦みそ⦆
九州麦味噌
麦味噌の原料の大麦は、食物繊維が豊富で、
水溶性と不溶性をバランスよく含んでいます。
麦本来の旨味があり、塩分が低く、麹歩合が
多いので、香りや甘味が強い味噌です。
麦味噌・辛口味噌
~~大豆に麦麹、塩を加えてつくった味噌~~
(九州、四国、中国地方、関東地方)
⦅瀬戸内麦みそ、九州麦みそ⦆
瀬戸内麦みそ
淡色辛口の麦味噌で、麹歩合が高く甘味を
感じられ、麦本来の香が口の中に広がります。
主に、山口県、広島県、愛媛県でつくられています。
豆味噌
~~大豆の豆麹と塩でつくる味噌~~
●中京地方を中心に作られています。
(愛知、三重、岐阜)
東海豆味噌
蒸し大豆を発酵、長期熟成させます。
色は赤褐色で、甘味は弱く渋味と旨みが
あるのが特徴です。
八丁味噌
愛知県の八帖町でつくられた味噌で、
濃い赤褐色をしています。
木製の大桶に味噌を敷きつめて石積みして、
1.5年~2年以上長期間天然醸造されます。
独特の渋味と旨みが特徴です。
調合味噌
2~3種類、調合・混合したものや、それ以外の味噌。
『今回のまとめ』
日本の伝統的な和食には、お味噌はなくてはならない
存在ですね。大豆と麹でつくる「発酵食品」は
体に優しい健康食品でもあります。
地域によって特性があり、その土地の風土や歴史、
原料によって、おいしい味噌ができていきます。
是非、いちど味わってみてくださいね。